県産麦芽100%で仕込んだ地ビール「NOMAMBA(のまんば)」を手にする和田真司常務=西松浦郡有田町の宗政酒造

 焼酎「のんのこ」で知られる宗政酒造(西松浦郡有田町、宗政寛社長)が、ビール事業を強化している。20年前に一世を風靡(ふうび)した地ビールの人気が、クラフトビールとして近年再燃していることを受けた動きだ。これまで培ってきたニュージーランドの製法をもとに、県産原料を使った「佐賀さいこうビール」をつくるプロジェクトを進めている。

 緊急経済対策の一環で酒税法が改正された1994年、製造量の緩和により小規模のビール醸造所が全国で誕生した。しかし品質が価格に見合わず、低価格の発泡酒に押されて2003年ごろにブームが終息。ネット通販の普及や品質の向上などで近年、国内需要が再び拡大しているという。

 98年に製造免許を取得した宗政酒造はニュージーランドの製法を学び、黒ビールなど3種類を製造してきた。今回は「NOMAMBA(のまんば)」という商品名で、県産麦芽100%で仕込んだ。すっきりして飲みやすく、国内で最も流通量が多いピルスナータイプで、県産麦の香ばしさと甘さが感じられるのが特長という。

 現在は樽詰めだけで、レストランやバーに卸している。来年夏に瓶詰め商品を販売する予定。年間製造量はこれまでのピークの倍となる120キロリットルを目指す。

 10、11月の熱気球世界選手権での試験販売では「リピーターのお客もいて、手応えを感じた。ご当地ビールとして定着させたい」と和田真司常務(56)。NOMAMBAをベースにレモングラス、ミカン「クレメンティン」、光樹とまとなどを加えたフレーバービール、リキュールも開発していく。「県産の農作物をフルに生かした“佐賀の最高のビール”を生み出し、若者の酒離れを食い止めることができれば」と抱負を語る。

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