児童虐待や貧困により親元で育てられない子どもが、家庭での養育を受けられるようにするため、厚生労働省は2日、戸籍上、養父母の実子として扱える特別養子縁組をおおむね5年で倍増、年間千件以上の成立を目指すとの数値目標を導入することを決めた。

 養育の在り方を議論してきた同省の有識者会議が同日、特別養子縁組の他にも、就学前の子どもの施設への新規入所を原則停止し、そうした子どもたちの75%を里親らの元で育てるとの目標を盛り込んだ報告書をまとめた。児童養護施設や乳児院の在り方を大幅に見直す内容だ。

 奥山真紀子座長(国立成育医療研究センターこころの診療部長)が「非常に多岐にわたるが、実現に全力を傾けてほしい」と述べ、報告書を提出。塩崎恭久厚労相が「よく勉強し、必ずやるようにしたい」と応じた。厚労省は報告書に基づいて家庭養育の担い手となる里親や養父母支援を充実させ、希望者を増やしたい考え。ただ、養育現場からは、具体策がないまま数値目標が独り歩きすることへの懸念も上がっている。

 報告書は、昨年成立した、改正児童福祉法に沿った内容。厚労省によると、親元で暮らせない子どもは2016年時点で全国に約4万5千人。【共同】

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