資源エネルギー庁原子力発電立地対策・広報室の佐々木雅人室長(左)に、玄海原発の再稼働に反対の考えを伝える塚部芳和市長(右)=伊万里市役所

 九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)に関し、資源エネルギー庁幹部が7日、緊急時防護措置準備区域(UPZ)の30キロ圏内となる伊万里、唐津の両市を訪れ、再稼働を進める政府方針に理解を求めた。伊万里市の塚部芳和市長は再稼働反対を伝え、「事故が起これば立地自治体と運命共同体になる」と地元範囲の法整備を訴えた。唐津市の峰達郎市長は「条件付き賛成」の立場を示した上で、離島や避難道路の現状を挙げ、避難計画の充実を要望した。

 会談で塚部市長は「新規制基準に合格したから安全という保証はない。市民の不安な思いに軸足を置き、防波堤になるのが首長としての立場」と主張した。液化天然ガスによるコンバインドサイクル発電への転換を求め、「一度再稼働させてしまえば、動きはなかなか止められないのではないか」と原発依存度低減も盛り込んだ国のエネルギー基本計画の実効性に懐疑的な見方を示した。

 一方、峰市長は原子力災害時の一時避難所となる放射線防護施設の建設が進むことを挙げつつも「まだまだ市民の安全安心の担保にはつながっていない」と指摘した。

 「準立地自治体ではあるが、距離的なものを考えると立地自治体と同じような感覚でいる」と唐津市の立場を強調し、「(防災対策を取る)UPZとして国が30キロ圏と設定した。ならばUPZの自治体に対しても立地自治体と同等の考え方を示していただきたい」と注文した。

 両市長との会談後、原子力発電立地対策・広報室の佐々木雅人室長は「ともに強い思いをストレートに語ってもらった。私自身が受けた感覚まで東京に持ち帰り、エネ庁内のみならず、他の役所も含めて共有していきたい」と述べた。

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