国営諫早湾干拓事業の開門差し止め訴訟の和解協議に関し、開門に代わる100億円の基金案をベースとして長崎地裁が示した新しい和解勧告について、開門派の漁業者側は7日、「受け入れる余地はない」として拒否する意見書を提出した。基金案での和解は事実上成立しなくなった。福岡高裁には同日、和解協議の具体化を求める上申書を提出した。

 意見書で漁業者側は、長崎地裁が1月27日に改めて示した和解勧告を「従来の基金案を微修正したものにすぎない」などとして遺憾の意を表明した。その上で、基金案の議論継続は「有害・無益」と批判し、別の和解案の検討を求めた。

 これを踏まえ、これまで長崎地裁の協議を見守るとしてきた福岡高裁への上申書では「長崎地裁の和解協議は不透明」と説明した。福岡高裁では、開門と開門禁止のねじれた二つの司法判断を同時に審理しており「利害を調整するふさわしい場」として本格的な和解協議に入るよう要望した。

 開門問題を巡り長崎地裁は、開門しない前提で国が示した基金案に、国が漁業者側に支払っている制裁金などを組み入れる形での和解を改めて勧告した。次回協議の24日までに国、漁業者側、営農者側に諾否の回答を求めていた。

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