国に開門するよう求める要請書を読み上げる太良町のタイラギ漁業者平方宣清さん(左)=東京・霞が関の農林水産省

■弁護団、農水省と意見交換

 国営諫早湾干拓事業の堤防排水門の開門を求める漁業者側弁護団は7日、国が開門しない政治決断をして以降、初めて農林水産省と意見交換した。「国が確定判決に従わないと公然と言ってのけたのは憲政史上初のことで、開門問題にとどまらない普遍的な問題を含んでいる」と批判した。

 弁護団の堀良一事務局長は「国はこれまで開門と開門禁止の命令のどちらにも従わなければならない前提に立っていたが、今回は明らかに判決に従わない方針を取った。過去にそんな裁判対応をした例はあるか」とただしたのに対し、農水省の担当者は「承知していない」と答えた。

 堀氏は「裁判所の命令に従うのは三権分立の原則。その重要性を理解すべき」と指摘、農水省側は「仮に開門の方針を示していたとしても(開門禁止の仮処分決定があり)同じことだ。確定判決があるからこそ基金による和解をお願いしているので、判決を無視してはいない」と反論した。

 さらに農水省側は「有明海再生を速やかに進めてほしいという漁業者の思いに応えるため、開門によらない基金での和解を提案した。解決に向けた話し合いをさせてほしい」と求めた。堀氏は「基金案に反対した佐賀県側を切り崩すために何をやるのか疑心暗鬼になる。内容と手続きで納得できない。当事者のわれわれを無視して外堀を埋めるようなやり方はやめていただきたい」と訴えた。

 山本有二農相にも改めて開門を求める要請書を提出した。

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