県行政書士会副会長 徳永浩さん

■市町県議の情報をもっと 健全な地方自治へ監視の目

 民主主義の下では、公の有する情報は、元来主権者たる国民のものである。だからといって全てを公開するのは無理であって、外交・防衛上の理由から秘匿されるものや、個人情報に関わることから開示が望ましくないものもあろう。

 とはいえ、やはり主権者の知るべき情報は原則公開されるべき、との基本姿勢の重要さは変わらない。

 これを、国家レベルではなく地方レベルでみた場合、県民、市民は県・市や県議会・市議会の情報を知って初めて有効な投票活動を行える。

 けれども、この情報を自分で集めることができようか。そこにはおのずと限界がある。そこで必要となってくるのが地方紙であり、そこに所属する記者である。

 地方自治体は、二元代表制を採る。すなわち、住民による直接選挙によって首長と議員を選んでいる。この制度の趣旨は、予算や条例案を提出し、人事権も持つなど広範な権限を与えられた首長に対し、その行政運営を議員が監視していくことにある。

 では、首長を監視する役目を担う議員は、誰に監視されるのであろうか。それはもちろん、第一義的には議員選挙に対して投票権を持つ住民である。しかし、仕事や子育て、介護や地域活動への参加など、多忙な生活を送る現代人が逐一、議員の活動に注目し続けるのは現実的に無理があろう。

 そこで、われわれ住民に代わり議員の活動について情報を提供する役目を持つのが地方紙であり、その記者であることは上述したが、この機能を果たしているのは地方議会が開催されている期間に偏ってはいないだろうか。

 議会が閉じている間の議員の活動はいかなるものか。何となく気になりつつも、自ら積極的にこれを知ろうとすれば、個人的に議員と付き合いのある人以外には難しいものがある。

 まさに、こうした気になりつつも自分で調べるには難儀であるときにこそ、地方紙が公共の利益となる情報を提供する任務が輝くのだと思う。

 そうした視点で1月の佐賀新聞を読むと、地方議員の活動にスポットを当てた記事は、1月4日の22面に掲載された「主権者教育で佐賀市試行 社会科“先生”は市議」のみであった。

 議会閉会中であるし、1月は唐津市や白石町の選挙があり、選挙戦に紙面が割かれるのはまっとうである。そして、この間も首長の動静を伝える記事は多く見られる。ただ、ここからさらに一歩踏み込んでほしいのが、地方議員の活動を知らせる記事だ。

 昨年は政務活動費の不正使用が紙面をにぎわせたが、こういうことを防止する役目を果たすのも、地方議員を冷静に見つめる地方紙の役割であろうと考える。

 健全な地方自治・地方政治に欠かせない地方議員に関する情報を、より一層丁寧に報じていく姿勢が地方紙には求められよう。

=1月分=(とくなが・ひろし、佐賀市)

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