屋形船を貸し切ったイベントで佐賀の酒を味わう参加者。関係者はSNSを上手に使う女性たちの情報発信力に期待している=昨年12月、福岡市・中洲(提供写真)

 佐賀県酒造組合や県流通通商課が、おしゃれなイメージを前面に打ち出した女性向けの日本酒イベントに知恵を絞っている。注目しているのは、SNSを上手に使う女性たちの情報発信力の強さ。料理との相性の良さや選ぶ楽しさもアピールし、“日本酒女子”の広がりを期待している。

 「かわいいおちょこに入った日本酒は澄み切っていてとてもきれい」。1月末、佐賀市の佐賀ワシントンホテルプラザの「カフェ・ド・パリ」であったイベント。甘口が好みで料理との組み合わせを楽しんでいる同市の田中美穂さんは早速、スマートフォンで撮影しSNSに投稿した。

 この日はオレンジ、キウイなどの果物の華やかな盛り付け方を講師から学んだ後、県産純米酒と旬野菜の小鉢やアサリの酒蒸しなどの和食をじっくりと味わう趣向。参加者は20~60代の女性20人で、銘柄を当てる飲み比べ企画もあり、大盛り上がりとなった。

 県酒造組合は本年度、「女磨きの美女子会」と銘打ったイベントを数カ月に1回のペースで開いている。これまでに実施したのは、有田焼の絵付け体験やネイル講座などとのコラボ企画。同組合の武藤しずかさんは「日本酒がおしゃれと認知され、男が飲むというイメージは随分変わってきた」と手応えを語る。

 県産酒の2015年度(15年7月~16年6月)出荷量は約3200キロリットル。焼酎ブームなどを経てピーク時の1972年と比べると約5分の1になっているが、ここ2年は日本酒復権の兆しがあり、わずかながら上昇に転じている。

 県流通通商課もバックアップ。「女が集えば宴のThe SAGA佐賀ん酒」のキャッチコピーを掲げ、福岡・中洲で屋形船を貸し切った会を開いたり、酒蔵で働く女性が出演するショートムービーを作成するなど、矢継ぎ早にPR作戦を展開している。

 福岡・天神の福岡パルコで「日本酒の日」の昨年10月1日から約半月開いたイベントには約1700人が参加。県の担当者は「福岡のおしゃれな女性たちが、佐賀の酒のおいしさをSNSで拡散してくれた」と感謝する。

 政府は酒税見直しで第三のビールの区分を廃止して発泡酒に統合する一方、日本酒については2023年までに税率を段階的に引き下げる方針。同組合の古賀醸治会長は「減税はプラス要素。日本酒を大いに売り込み、ワインや酎ハイなどからの“飲み替え”も増えれば」と期待を込める。

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