放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は7日、テレビの選挙報道について「編集の自由が保障されている以上は、求められているのは出演者数や露出時間などの量的公平性ではない」とし、政治的公平性は報道の「質」で保つべきだとする意見書を公表した。BPOが選挙報道全般に対して考えを示すのは初めて。

 現在のテレビの選挙報道姿勢については「真の争点に焦点を合わせ、主張の違いを浮き彫りにする挑戦的な番組が目立たず、残念」と批判した。

 昨年の選挙報道を巡り、視聴者から「参院選の全体の放送量が減少した」「東京都知事選の一部の候補者のみを取り上げ、公平でない」などの意見が多数寄せられたことから、検証委が議論していた。

 検証委は、政治や選挙に関する番組が「放送法違反」などと指弾されがちであることを踏まえた上で、「現場では、特に選挙期間中の放送については公選法で厳しく規制されていると思われている節がある」と指摘。各党などの出演者の発言回数や時間が均等になるような配慮は求められておらず、取り上げ方は質的な公平性を考慮した上で各局が自由に決めるものだとした。

 選挙報道に当たっては「正確な情報をゆがめることなく編集して放送し、有権者に多様な立場からの多様な見方を提示するものとなるように心掛ける必要がある」と説き、外部からの声に臆することなく国民の選択に資するような報道を求めた。

 また、議論の対象となった参院選と都知事選の複数の個別番組については、いずれも「放送倫理違反はない」と判断した。

 記者会見した川端和治委員長は「放送をしなければ批判も受けないと考えるようになれば困るのは視聴者だ。視聴者が正しい判断をできるように放送をするのはメディアの責務だ」と話した。【共同】

=ズーム=

 ■放送法 テレビやラジオの放送事業の健全な発達を図るための法律。放送の不偏不党、自律、表現の自由の確保などを原則に掲げ、番組の編集に当たっては「政治的公平」「報道は事実をまげない」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」などと定めている。

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