購入の負担が重い大型農機を、コメや麦の収穫時期が異なる遠方の農家らで共同利用する取り組みが2017年度から本格スタートすることが7日、分かった。JA三井リースが農機を購入して運営し、全国農業協同組合連合会(JA全農)などJAグループも協力。農家のコストを減らし経営を支援するのが狙いで、農業でも「シェアリングエコノミー(共有型経済)」が広がりそうだ。

 数カ所の地域の農家を引き合わせ、コンバインをリレー形式で約2週間ずつ使う仕組み。10チームが誕生する。面積当たりの費用は農家が購入するよりも2~3割程度軽減される見込みだ。

 コンバインは主に収穫時期しか使わないことから、高額な割に稼働率は低い。「所得確保のため、農機の費用を低減させてほしい」との声を受けて検討に乗り出した。16年度には埼玉、新潟、愛知3県で実証実験をした。

 参加条件は、大規模農家で、故障のリスクに備えて別に1台を所有しているほか、次に利用する農家が使えるよう整備ができることを盛り込んだ。2年契約で、利用料は10アール当たり5千~6千円程度を想定する。

 運営側は、最先端の情報通信技術(ICT)を備えた新品を導入する。データで稼働状況が分かり、農家の就業時間短縮にもつながると期待している。衛星利用測位システム(GPS)機能で位置情報も把握できる。

 JA三井リースの担当者は「農家の減少で購入を待っているだけでは商売が厳しくなってきた」と説明する。経営意識が高い農家の需要を見込んでおり、ほかの農機の共同利用も視野に入れる。【共同】

 ■シェアリングエコノミー(共有型経済) モノやサービスを共有して利用する新しい仕組み。欧米を中心に世界に広がっている。個人などの所有物が使われていない時間に他の人に有料で貸し出すことで、仲介役が収入を得ることができる。カーシェアリングや、観光客を一般住宅に有料で泊める「民泊」といった、さまざまな形態のビジネスが生まれている。

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