永池社長 永池明裕さん

「志を礎に、県民とともに新たな時代を切り拓く」として新年度当初予算の概要を説明した山口祥義知事=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

■佐賀人の心合わせ未来開く

 佐賀新聞社が主催する政経懇話会・政経セミナーの合同例会(3月30日)で、佐賀県の山口祥義知事が2017年度当初予算の概要を説明した。国策絡みの県政課題にも触れた講演要旨を紹介する。(川崎剛)

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 知事就任から2年数か月たつ。いろいろな思いはあるが、愚直に策を弄(ろう)さず、正面から懸案に向き合うことに尽きる。

 諫干湾干拓事業の開門を巡る訴訟の和解に向けた動きにしても、開門を前提としない基金案は片方に乗っかったような話だった。中立でやってもらいたい。

 原発問題も議論が佳境を迎えている。既に立地している原発をどのように事業者に適切に管理してもらうのかということで日々頭を悩ませている。福島(第1原発)にも目の前まで行ったが、今の状況を見るにつけ心が痛む。その上で、どうあるべきなのかということに向かい合わなければならないと思っている。

 私は佐賀という県、県民が世界に信頼をされる人たちの集まりであってほしい。それを大事にしてきたのがわれわれの先人たち。まっすぐな一生懸命さは混沌(こんとん)とした社会でも生きていくのではないか。

 来年は明治維新150年。博覧会を開くが、顕彰をしつつも、未来志向で、当時も今も変わらない志、強い思いを子どもたちに向けても発信していきたい。

 交通事故対策も予算化はしているが、県民全体で対処しないといけない。懸案のがん対策では特に女性に検診を啓発し、受診率を上げていきたい。

 困難を抱える一人一人にきめ細かな施策を考えている。レスパイト(障害児らの介護家族を対象にした一時休息)や発達障害、若年性認知症、ひとり親…。「佐賀県政は現場を見てるよ」というのが伝わるように予算化した。新教育長は太良高で不登校の生徒に対応するなど、いろんな経験も積んでいる人だ。現場で起きていることを政策に生かし、教員の士気を上げようと伝えている。

 子育ての環境はさらに整えていく。人材還流の促進事業も進め、UJIターンによる県内企業の就職予定者に対して奨励金を出す。1次産業系はどう後継者を育成していくかが大きな課題。農業でいえば技を受け継ぐような農場をつくって個別指導をしていく。

 2023年には佐賀国体・全国障害者スポーツ大会がある。6千人以上の収容規模となるアリーナを整備、スポーツ大会やコンサートもできるような使い勝手のいい施設にしたい。

 県が絵を購入する多久市出身の池田学さんの作品は本当に感動を呼ぶ。故郷に貢献したいという県出身者の思いを引き出していく。それとともに佐賀を好きになる世界中の方々と交流をすることで、新たなものづくりの技術やアイデア、デザイン、生活スタイルといったものが出てくるようにしたい。

 佐賀県は順風満帆なことばかりでなく、県内を二分するような議論がある。何があっても、佐賀の将来に向けて皆が心を合わせてやっていくというところさえしっかりしていれば、議論自体はしていくべきだ。

●講演を聴いて

 永池社長 永池明裕さん

 150年前の明治維新で日本の最先端を走った佐賀県。誇りを持てる県になっていかないといけないと改めて感じた。県総合運動場にアリーナを新設するということだった。佐賀には大きなイベント施設がなく、どうしても福岡の方に流れてしまう。自社でも県内で展示会をしているが、2会場に分けての実施で十分な展示ができない。柔軟に使えるイベントホールがあれば佐賀の企業や製造業もPRでき、それが誇りの醸成にもつながるのでは。

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